今日はCPSという問題解決方法を紹介します。何かの問題を解決するときに「なぜなぜ分析」という手法はよく聞きますが、CPS(Customer Planning Session)という手法を教わりましたので、忘れる前に書きたいと思います。この手法はとても打合せ向きです。
まず、「問題」という単語について定義すると、「問題」とは、ビジョンや目標と現状のギャップとします。また、「問題解決」という単語について定義すると、「問題解決」とは、問題を解決できる形に問題を加工することとします。問題解決をする手法としてCPS(問題を分解する技法)を利用します。私が今まで、なぜなぜ分析やMECEなど様々な手法を見てきましたが、CPSは群を抜いてわかりやすいです。
◆CPSの入門書:たった2つの質問だけ! いちばんシンプルな問題解決の方法(諏訪 良武)
CPSの手法
- 問題を定義する(※1)
- セッションや会議等で3つの質問を繰り返し問題を分解(ブレークダウン)(※2)する(※3)
- 結果をまとめ、重要度/効果/容易についてABCの3段階で評価をつける
- 問題構造図リストを最終成果物として作成する。通常版と簡易版を記載する
- 解決策の優先順位つけて、実施する
※1:日本文化的に幹部や社長の意見が通りやすいので、事前に、参加者に「問題の定義」に対する主要な要因を3つ書いてもらう等のヒアリングシートを事前に配布する。幹部や社長の意見に惑わされない原因を書いてもらう。また、ヒアリングシートをもとに、問題の網羅性を確認しておくて、大きな会議では効果が上がる。
※2:問題をどこまで分解(ブレークダウン)するかは、次の基準で行う
- 解決策が見える原因 ⇒ 分解をストップ
- まだ解決策が見えない原因 ⇒ 分解を継続
- 解決できない原因 ⇒ 分解をストップ
注意1)問題の分解をどのレベルにするかが、悩みどころ。
注意2)原因の分解で意見が衝突した際は、意見を戦わせて、2つとも書くか、1つにするか、両方書かないかを判断する。
※3:会議が活性しなくなってしまった時のために、問題に対する原因を抽出するためのヒントリストを手元に携帯しておくとよい。また、問題の原因抽出が滞らないように、汎用的なヒントを手元に携帯しておくと良い。
CPSのやり方
- 会議のリーダーを決め、リーダーがブルコントロールする。(ここが大変!)
- 1時間20~24個のペースでテンポよくやる
- どの議題をやっているのかわかりやすくする。
- 参加者の発言を真摯に傾聴し、要約して書く。(ここが大変!)
- 1時間に10分程度の休憩をとる
- バランスよく発言してもらう
- 始めての参加者が多い場合は、最初はゆっくりやる。
実際にやるとき、やるまでの注意点
- 紙に書く際は、参加している人はわかりやすい、参加していない人にはわかりにくい。紙に書いた場合は、後日EXCELに書き直す。
- 問題を1つずつ分解(ブレークダウン)する。問題を立て続けに出すことは、ブレストと変わらない。(1つ問題を順番に解決することに集中する)
- 会議のリーダーにはスキルと慣れが必要なので、1人でこの手法を練習したり、仲の良いやりやすいメンバーでこの手法を練習すること
- 「参加者の発言を真摯に傾聴し、要約して書く」技術は、すぐには習得できない。地道な文章のトレーニングが必要。
- お客さまは、CPSのやり方を知らなくても、会議をすることが可能。(会議リーダーのコントロール力が問われる)
- CPSは、10年後の問題解決には向かない。現状または1年後くらいまで。
- 効果は高いが、時間と体力を使う。
- (その他に、ブレストやをすることがありますが、ブレストは、全体の20%~30%の問題しか表面化できません
- (皆さんがよく聞く「なぜなぜ分析」は、原因を解決策が見えるまでブレイクダウンするという手法です。)
CPSの具体例:要件定義が遅れる理由
- 当社は、要求定義の納期がいつも遅れてしまう。
- お客様が要求定義の質問シートを期日までに回答してくれない。
- お客様自身が次期システムで何をしたいのかを明確にできていない。
- お客様にとって今回は初めてのシステムなので利用イメージがつかめていない。
- お客様が対象業務の問題の本質を把握できていない。
- お客様のシステムの構築目的や目標が明確になっていない。
- 当社の質問シートの内容は、お客様にとって理解しにくいものになっている。
- お客様が質問シートに回答する納期が短すぎる。
- 質問シートの納期が遅れた場合にどんな不都合が起こるかをお客様にきちんと説明できていない。
- お客様自身が次期システムで何をしたいのかを明確にできていない。
- 質問シートの内容だけでは要求定義にとって情報が不十分である。
- 自社側で決める内容が残っている(非機能、潜在ニーズ
- お客様は、システム開発への知識が不足している。
- 非機能への情報が不足している
- 自社側で決める内容が残っている(非機能、潜在ニーズ
- お客様が要求定義の質問シートを期日までに回答してくれない。
(メモはここまで)
問題解決手法としてCPSとセットでやるとよいもの
まとめ
CPSについて紹介しました。とてもシンプルな方法論なので、是非とも使いこなしたい考え方です。ですが、私自身まだ使いこなせていません。今後特訓し、CPSを使いこなせるようになり、1流のSEにちょっとでも近づけるようになりたいです。
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