家電ショップやオンラインサイトで良く見るスマホ1円の広告ですが、皆さんはどのようなからくりで売られているかご存知ですか?
「安いのには裏があるはず」「1円スマホはやめとけと聞く」と感じた方は鋭いです。 ぜひこの記事でスマホが1円で買えるからくりと落とし穴を理解した上で、購入をご検討ください。
なんでスマホは1円で買えるの?
スマホ1円のからくりは、ずばりスマホ本体の売上で儲けようとしていないからです。仮に1万円のスマホを1円で売ったとして、このままだと損益は9999円ですが、スマホの月額利用料金は最低でも1000円近くしますよね。
したがって、1円スマホ購入者が10か月以上利用を継続してくれれば利益が出る、これがスマホ1円のからくりの基本です。
安い機種ばかりが1円になる理由
確かに1円スマホの機種を良く見ると古い機種ばかりで、高い機種は中々ないですよね。高い機種を1円で売ると利益が出るまでに時間がかかりすぎる上に、短期間で解約されると利益が出なくなってしまいます。
そこでできるだけ短期間で利益が得られるように機種の安いスマホを1円で売るわけです。
法律で割引の上限が決まっている
2019年の電気通信事業法の改正により、回線契約を理由にしたスマホの割引は22,000円(税込)までと定められました。
そこで携帯会社は本体価格をあえて22,001円に設定し、割引上限の22,000円を差し引く「22,001円−22,000円=1円」という工夫で、スマホが1円で買えるからくりを成立させています。
1円スマホには「一括1円」と「実質1円」がある
ひとくちに1円スマホといっても「一括1円」と「実質1円」の2種類があり、仕組みが大きく違うので整理しておきましょう。
「一括1円」は端末が自分のものになる
「一括1円」は、1円だけ支払えば端末が自分のものになるタイプです。先ほどの「22,001円−22,000円=1円」がこれにあたり、他社からの乗り換え(MNP)が条件になっているケースがほとんどです。
「実質1円」は2年返却前提のレンタルに近い
「実質1円」は、2年後の返却を前提とした「端末購入サポートプログラム」を使い、毎月の支払いを1円(実質負担24円など)に抑えるタイプです。
返却しないと25か月目以降の支払い額が跳ね上がるため、いわば2年間のレンタルに近い仕組みといえます。
各携帯会社ごとの1円スマホのからくり
では具体的に各社が販売しているスマホ1円がどのようなからくりになっているのか実例を挙げながらご紹介していきましょう。
ワイモバイル
ワイモバイルでは、OPPOA55Gを1円スマホとして販売していますが、これにもからくりがあります。これは先ほど紹介した「実質1円」タイプの代表例です。
実は1円スマホとして購入できるのは48回払いした場合のみで、24回払いまでの月々の支払いを1円とする仕組みなんです。 そして25回以上は月々419円でスマホ本体の料金を支払うことになるので、結果的にスマホ本体の料金半額分を支払っていることになります。
楽天モバイル
楽天モバイルではiPhone16eを1円スマホとして売っていますが、これは購入条件が厳しく設定されているからくりです。
楽天モバイルでiPhone16eを1円で購入するには、他社から電話番号そのまま乗り換えで、48回払いを楽天カードで支払う必要があります。
1円なのは24回払いまで
しかも、条件を満たしたとしても1円なのは24回払いまでで、25回以降の支払いは月々4365円が必要です。つまり、分割にしようが一括で支払おうがiPhone16eを定価104800円で購入することになるわけです。
しかし、25か月目以降に返却すれば以降の支払いが無効になるので、いわばiPhone16eをレンタルして使い心地を試したい人におすすめのプランとなっています。
こちらも「実質1円」タイプにあたり、最近ではより新しいiPhone17eを毎月1円で扱うキャンペーンも登場しています。
Amazon
Amazonのスマホ1円は、スマホ本体を1円で売る代わりに回線を同時契約してくださいというからくりです。しかもワイモバイルのプランSかプランMLという指定付きで、スマホ本体のバリエーションもそんなに多くなくスペックもあまり高くないという特徴があります。
注意点は、Amazonのスマホ1円は乗り換えと新規契約が別商品扱いになっていることです。新規契約の商品ページでは乗り換えを受け付けていませんし、乗り換えのページでは新規契約を受け付けていないことに注意してください。
ゲオモバイル
ゲオモバイルのスマホ1円は、回線と一緒に契約する代わりに過去に人気だった機種の中古を1円で購入できるようになるというからくりです。しかし、ゲオの中古スマホ やめとけ と色々なところで噂されており、あまり評判は良くないです。
その要因となっているのが中古スマホの状態に関する情報です。公式サイトでは状態AとかBと記載されているのみで、ぱっと見どんな状態なのかが分からないようになっています。
SNSでは状態Aのものを購入したのにボロボロのスマホが届いたなどと報告されているので、恐らく状態に関する情報はあまり信用できないでしょう。
バッテリー劣化が一番の落とし穴
何より公式サイトには小さなフォントで状態AとBはバッテリーが劣化しているメッセージが表示される場合があると記載されているところが落とし穴だと思いました。
バッテリーが劣化していたら安定して使えるのはおそらく1年弱だと思うので購入はおすすめできません。
イオンモバイル
イオンモバイルのスマホ1円は、実はスマホ本体が買えるわけではないというからくりです。イオンモバイルはイオンスマホに変更されてから、色々サービスが充実したため、現在でもイオンスマホを使っている人は新しい料金プランに変更しませんかというからくりです。
しかも1円になるのは事務手数料という落とし穴で、契約できるのは2016年以前にイオンスマホを契約した人です。スマホは大事に使っても10年もつことはほとんどないので、筆者もこれは誰向けのキャンペーンなんだと疑問に思いました。
ソフトバンク
ソフトバンクのスマホ1円は、公式オンラインショップで購入する人限定で、尚且つ1円になるのは48回払いの内12回払いまでの支払いです。
13回から24回までの支払いが無料になるとはいえ、25回から48回までの支払いで、14万円近くの本体料金を支払うことになります。
分割でも割安感は薄い
ちなみに分割払いだと本体価格が9936円安くなりますが、あまりお得に感じない人も多く、SNSでは巧妙な落とし穴だとまで言われています。
返却しても2万円近くの負担が発生
しかし、13回以降の支払いのときに機材を返却すれば以降の支払いが0円になるので、お得と言えばお得ですが、早期利用料金と特典利用料金が発生するため、合計2万円近くの支払いが発生します。
この特典利用料は携帯会社によって最大22,000円ほどかかるため、思った以上に負担が増える点に注意が必要です。
2万円も出すならスペックの低いスマホを買い切りで購入したほうが良いと思うので、これは巧妙な落とし穴でしょう。
「1円スマホはやめとけ」と言われる理由まとめ
ここまで各社のからくりを見てきましたが、なぜ「1円スマホはやめとけ」と言われるのでしょうか。
通信費が高くなり総額では割高になりがち
1円スマホはほぼ全てがMNP乗り換え前提で、新しい携帯会社との契約がセットになっています。端末は安くても月々の通信料が高めに設定されることが多く、2年で総額10万円を超える例もあります。
「端末代+月額+オプション+初期費用」の総額で比較しないと、結果的に割高になりかねません。
実質1円は2年返却が必須でレンタルに近い
実質1円スマホは、2年後の返却を前提に毎月1円(実質負担24円など)にする「端末購入サポートプログラム」を利用しています。返却しなければ25か月目以降の支払い額が跳ね上がり、残価が分割で再請求されてしまいます。
端末が破損・故障していると、最大22,000円ほどの追加料金が請求される点にも注意が必要です。
特典利用料という「新2年縛り」が発生する
実質1円スマホには、プログラムの特典利用料(11,000円~22,000円程度)が加算されるようになりました。2年後に同じキャリアで返却&機種変更をすれば免除されますが、他社へ乗り換えるとこの利用料が発生します。
実質的な「2年縛り」だと批判する声も多く、見えにくい負担として覚えておきたいポイントです。
即解約はブラックリスト入りのリスクも
1円スマホ購入後すぐに解約すると、目立ってしまいブラックリストに載る可能性があると言われています。総務省は短期解約のみを理由に契約を拒否することを違法としていますが、影響がないとは断言できません。
通常の使い方であれば過度な心配は不要ですが、特典目当ての即解約は避けたほうが無難です。
1円スマホが向いている人・おすすめな人とは?
「やめとけ」と言われがちな1円スマホですが、仕組みを理解して使えばお得になる人もいます。自分がどちらに当てはまるか確認しましょう。
1円スマホが向いている人
現役の販売員によると、以下のような人は1円スマホのメリットを活かしやすいとされています。
- 2年ごとに機種変更したい人
- スマホをきれいに使える人
- 返却のタイミングを管理できる人
- 同じキャリアで機種変更してもよい人
つまり「2年ごとに返却・機種変更する前提」で考えられる人にとっては、相性の良い買い方だと言えます。
向いている人は具体的なキャンペーン例もチェック
「自分は1円スマホが向いているタイプかも」という方は、具体的なキャンペーン例も見ておくと判断しやすくなります。たとえばahamoのiPhone17が1円になる事例は、購入手順まで動画で解説されています。
ただし、こうしたキャンペーンもPR情報を含むため、月々の通信費や2年後の返却条件などの総額は、申し込み前に必ずご自身で確認するようにしましょう。
1円スマホが向いていない人
反対に、次のようなタイプの人にはあまりおすすめできません。
- 同じスマホを3年以上使いたい人
- 返却や手続きが面倒に感じる人
- スマホを落としたり壊したりしやすい人
- 格安SIMで月額料金を安く抑えたい人
特に1台を長く使いたい人は、返却前提の実質1円スマホだと逆に損をしやすいので注意してください。
まとめ
各社の1円スマホは、通信契約や2年返却を前提にしたからくりで成り立っており、追加料金などの落とし穴も少なくありません。完全に1円で買えるプランはほぼないと言えます。スマホ1円のからくりを理解した上で、長く使いたい人は買い切りも検討してみてくださいね。 お金のからくりに興味のある方はこちらの記事 もおすすめです。


